閉塞型睡眠時無呼吸症候群とCOVID-19について

概要

 近年、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome, OSAS)と新型コロナウイルス感染症の関係が注目されています。今回は米国のシカゴにおいて、10病院でCOVID-19により入院した患者のデータをもとにNorthwestern大学 Maas医師らが発表した論文をご紹介します。(Sleep Breath. 2021; 25(2): 1155–7.)
 
 シカゴの病院を受診したCOVID-19感染者9405人のうち、3185人(34%)が入院を要し、1779人(19%)が重症(呼吸不全を発症した)と診断されました。既往にOSASがあるか否かでこれらを評価すると、OSASがある人は入院を要する割合が高く(15.3%対3.4%)、また重症化する割合も高かったようです。(19.4%対4.5%)
 OSAS患者は、OSASがない方に比べてCOVID-19発症のリスクが約8倍、重症化のリスクが2倍高かったと報告されました。
 
 このデータは、睡眠医療を行なっている我々としても驚くべきものでした。一方で、OSASの治療(CPAP療法)を適切に行うことで、もし重度のOSASがあったとしても、健常人に近いレベルまでCOVID発症リスクを下げる可能性があると、米国胸部外科学会(American Thoracic Society, ATS)で報告されています。

 つまり、OSASであることはCOVIDの発症、重症化リスクではあるけれど、適切に治療を行うことで、そのリスクを最小化できる可能性があると言うことです。未だCOVIDに対する特効薬と呼べる薬剤は開発されておらず、自衛のためにもできる限りリスクを下げる努力をする事が重要ですね。

まとめ

・OSASはCOVID-19発症、重症化リスクとなる
・OSASに対する適切な治療は、COVID-19対策に有用な可能性がある

 徐々に世の中の空気は変わりつつありますが、人類史はまさしく感染症と戦い、共存してきた歴史でもあります。ご自身の体調や持病をしっかり把握し、適切に対応することが重要ですね。
 
 もしご自身や周りのかたが"無呼吸"かも?と思ったら、お気軽に当院までお問い合わせください。