概要

 むずむず脚症候群(RLS; Restless Legs Syndrome)は、「脚を動かしたいという強い衝動」を引き起こす神経疾患で、主に夕方から夜間にかけて症状が出現します。足を中心に不快感(ムズムズ、痒み、だるさ、重さ)を感じ、じっとしているのが辛くなるものです。こういった異常な感覚は不眠の原因となりうるため、適切な生活環境調整や薬物療法を行う必要があります。また、治療により良くなるケースが多いのも特徴です。

原因

 RLSの正確な原因は未だ完全には解明されている訳ではありませんが、中枢神経系におけるドパミンの調整機能の変化や、遺伝的要素の関与が示唆されています。大まか分けて、原因がよくわからないもの(一次性)と、他の病気や薬などが原因のもの(二次性)に分けられます。二次性の原因としては、慢性腎不全、鉄欠乏性貧血、妊娠、パーキンソン病などが代表的です。
 現在RLSの罹患者は概ね全人口の約5%程度存在すると言われています。さらに、その中で治療が必要だと考えられる人は約200万人程度いると推定されています。睡眠時無呼吸症候群と合併していることもあります。

治療

 RLSの治療法としては、代表的なもので3パターンあります。
 
・カフェイン、アルコール、喫煙を避ける

・運動習慣や、就寝前のストレッチ

・薬物療法

 
 カフェインやアルコールの摂取量の調整や禁煙は、睡眠だけでなく様々な病気の予防にも重要です。規則正しい睡眠習慣を確立することで、睡眠の質が向上する可能性があります。なお、鉄分不足が根本的な原因である場合は、鉄分補給のために鉄剤を処方することもあります。運動習慣や就寝前のストレッチも同様で、良い睡眠を迎えるためのルーティーンを作っていくのも良いかもしれません。また、症状の強さによって、ドーパミン作動薬、抗けいれん薬などの薬剤を処方することもあります。
 こういった治療方法を組み合わせて、担当の医師と相談しながら持続可能なオリジナル睡眠法を作り上げていきましょう。